ラビットホール (Reloaded)
DECO*27
歌詞を考察
うたばなし
ラビットホール (Reloaded)【DECO*27】「あたし」は最後まで、突き放す側のまま?
はかせ歌詞を研究しているキャラクター
みお仕事帰りに歌を聴く聞き手のキャラクター
みお
この歌の「あたし」って、ずっと相手を突き放してる感じがするのよね。最後までそのままなのかな。
はかせ
終わりだけ見ても、答えは出にくいんだよね。言い方は途中で動くから、まず最初の一行の問いの形に目が行くよ。
最初の問いと、期待を退ける言葉
死ぬまでピュアピュアやってんのん?
みお
いきなり問いで始まるのね。誰に向かって言ってるのかな。
はかせ
主語が無いから、誰に向けた問いかは少しあとでまた見るよ。この少し先で、語り手が自分を「あたし」、相手を「きみ」と呼ぶんだ。「特別」なのはきみだけじゃない、「反省」を求められても困る、と期待を一つずつ退けていくよ。
最初にあれほどやめときなって伝えたじゃん
みお
でもこれ、突き放すっていうより、責められる前に先回りして言い訳してるようにも聞こえるかも。
はかせ
その聞き方もできるね。ただ言い訳なら自分の事情が少しは出そうなのに、ここは「伝えたじゃん」と、先に言ったのだから相手の側の問題、と言うように聞こえる。責任を相手に置く、突き放す側の言い方として読んでみるよ。
みお
自分の気持ちは一言も出てこなくて、相手の期待を外に押し返してるのね。
「あちらが出口」と案内する声
お純情様、あちらが出口ですが…
やっぱ帰りたくない…ですか?
はかせ
サビに入る手前で、口調がくるっと変わるんだ。「伝えたじゃん」とくだけていたのが、「お純情様」「ですが」「ですか」と丁寧になって、出口を指しながら、帰るかどうかを相手にたずねている。
みお
「お純情様」って、最初の「ピュアピュア」とつながってる気がする。あの問いも相手に向けてたの?
はかせ
つながると読むのが自然だと思う。相手を「お純情様」と呼ぶなら、最初の問いも純情なままの相手をからかっているように聞こえるね。ただ最初の問いに主語は無いから、自分への独り言と聞く余地は残るよ。
サビの最後の行は、どう動く?
みっともないから嫉妬仕舞いな
発火しちゃうとかくっそだせえな
はかせ
ここから1番のサビ。ほぼ同じ形の二つのまとまりでできているよ。「もうやっぱアピって」で始まるほうを前のまとまり、「もう」の無い「やっぱアピって」で始まるほうをあとのまとまりと呼ぶね。
はかせ
嫉妬はしまいな、発火なんてだせえな、と相手への命令とけなしだね。
みお
いま出した2行は、前のまとまりのほうなのね。どんなことを言ってるの?
みお
サビの終わりの行って、頭のほうの行と少し言い方が違う気がするのよね。
嫌嫌愛して生きたくなって 死ぬまでピュアピュアやってんのん?
厭厭愛して死にたくなって こちとらフラフラやってんのん、OK?
はかせ
二つのまとまりの、それぞれ最後の行だよ。どちらも「やってんのん」で終わるけど、「こちとら」と自分の側を言う語が入るのは、あとのほうだけなんだ。
みお
じゃあここで、相手の話から自分の話に移ってるのかな。突き放すのをやめたってことかも。
はかせ
前の行は主語が無いから、相手の話とまでは言えないけどね。あとのまとまりの中にも「馬鹿じゃない?」と相手をばかにしていると読める言葉があって、2番のサビでも同じ並びで戻ってくるんだ。最後の行が「こちとら」になっても、突き放す言葉は止まらない。
みお
じゃあ、2番でも同じ形で戻ってくるなら、これは変わり目にはならなそう。このサビには無い行を探せばいいのかな。
笑われた「発火」と「アンサー」
嗚呼未だ淫ら 今際火花散らばそれがアンサー、だ
みお
2番の前半の火花の行が気になってて。サビでは燃えるのを「だせえな」と笑ってたのに、ここは火花が散ったら答え、って言ってるの。
はかせ
ここは「散らば」と条件のままで、散ったとは言っていないんだ。それでも、笑われていた火が答えになりうるものとして出てくる、とは読んでいいと思う。
みお
でも2番のサビに入ったら、また同じ「だせえな」が戻ってくるでしょ。笑う言葉のままじゃない?
はかせ
戻るよ。さっき見たとおり、2番のサビは1番の文言をそのまま繰り返すんだ。
みお
言葉は同じなのに、火花の行を通ったあとだと、前ほどすっきり笑ってるようには聞こえないのかも。
「みっともない」「発火」の言い直し
みっともないとか言ってごめんな
発火したいけどもうだめなんだ
はかせ
最後のサビは、あとのまとまりの形で始まって、まんなかに新しい行が3つ入る。その後ろの2行がこれで、1番では相手に向けたと読める「みっともない」を引いて謝り、笑っていた「発火」を言い換えているんだ。
みお
謝ってるのは分かるの。でも「したいけどもうだめ」は誰の言葉?主語が無いでしょ。
はかせ
そうだなあ、謝っている声と同じと置くのが自然だと思う。笑っていた発火を自分が望んで、もうできないと言っていることになるね。別れの言葉として相手を手放す、つまり突き放す側の続きと聞く読みもあるけどね。
みお
サビの最後の行を見たら、ここだけ字が違う気がする。「死にたくなって」のところ。
否否愛して逝きたくなって こちとらフラフラやってんのん、OK?
はかせ
形はあとのまとまりの最後の行のままで、「こちとら」も「OK?」もある。ただ、1番と2番では「厭厭」「死にたくなって」だった字が、ここだけ「否否」「逝きたくなって」に替わるんだ。
みお
字が替わるのと謝る行って、同じ働きなのかな。それとも別なの?
はかせ
字の替わりは、同じ形の行が最後のサビだけ違う、という印までで、働きは決められない。決め手は、前の語をそのまま引いて言い直す謝る2行のほうだよ。「あたし」と同じ声と置けば、期待を退けていた語り手が、自分の言葉を引き直して謝る側にいると読める。
最後は「愛してよ」と「だっせ」
もっとこの穴を愛してよ
だっせ
はかせ
終わりの部分では、頭の行で相手が「悪い子さん」と呼ばれる。「きみ」「お純情様」と来た呼び方が、ここでまた変わるんだ。
みお
「この穴を愛してよ」って、最初の突き放し方とは逆向きよね。これも同じ「あたし」が言ってるの?
はかせ
同じ声かは決められないけど、「愛してよ」と相手に求めていること自体は読めるね。ただ「悪い子さん」と呼んで「始めるよ」と誘う形なので、からかいの続きと聞くこともできるよ。
みお
それに、愛してよの直後が「だっせ」でしょ。自分を笑ったのか相手を笑ったのか、私はそこで置いていかれる感じがする。
はかせ
置いていかれるまま、でいいと思うよ。サビの「だせえな」と同じ語だけど、「だっせ」には向く先を示す語が付いていないからね。
はかせのまとめ
問い
「あたし」は最後まで、突き放す側のまま?
答え
「あたし」は1番から期待を退ける側だが、最後のサビの謝る2行を同じ声と置けば、突き放すだけでない言い方が出ると読める。終わりの「愛してよ」「だっせ」の声が同じ語り手かは決まらない。
次に聴くときは
1番で「嫉妬仕舞いな」と続いた「みっともない」が、最後のサビで謝る行に入る並びを聴いてみて。
楽曲情報
| 曲名 | ラビットホール (Reloaded) |
|---|---|
| アーティスト | DECO*27 |
| 作詞・作曲 | DECO*27 |
| 発売 | 2024年11月27日 |
