かげろう
Vaundy
歌詞を考察
うたばなし
かげろう【Vaundy】歌い出しで追う逃げ水と、サビで頼む相手はどう違う?
はかせ歌詞を研究しているキャラクター
しおり言葉が好きな聞き手のキャラクター
しおり
題の「かげろう」が気になって、ノートに書いたんです。漢字にすると陽炎のことなのか、まだ決めきれなくて。
はかせ
辞書の「陽炎」の項には、似た言葉として「逃げ水」が並んでいるんだ。逃げ水はこの曲の歌い出しにある言葉だけど、歌詞が二つを同じ物として扱っているわけではないよ。だから陽炎と決める前に、それぞれ何と一緒に出てくるかを見たいんだ。
しおり
じゃあ、どこから見ればいいですか。
一行目の逃げ水は、追いつけない
焼かれて逃げ水追いかけては
追いつけない。
しおり
「追いかけては」の「は」で、まだ文が終わってない感じがします。続きがありそうで。
はかせ
そう、「は」で文が終わらない形なんだ。その続きが、次の行の「追いつけない。」だね。
しおり
追いかけている最中なのに、もう結果が言い切られてるんですね。
はかせ
追われているのは逃げ水で、追っても追いつけない相手として出てくるんだ。続く矢尻の行も「突き抜けない。」で閉じる。追っても避けても、どちらも「ない。」で終わるんだよ。
「揺れる」が並ぶところ
揺れる心を
許すのならば
はかせ
歌い出しの次のところだよ。「揺れる言葉」「揺れる影」「揺れる心」が並んで、もし魂がそれを許すなら、という形になる。辞書の「陽炎」の説明には、「炎のような揺らめき」という言葉があるんだ。
しおり
揺らめきと「揺れる」、似てますね。この三つの揺れが、題のかげろうのことなんでしょうか。
はかせ
それは、このあとサビのあとまで見てから数えよう。「揺れる」と「かげろう」がどこに出るかを、そこで確かめるね。
サビの終わりの「かげろう」は誰?
今こそ嘯いてくれ
かげろう
しおり
1番のサビの終わりで、やっと題の言葉が出ました。「今こそ嘯いてくれ」、うそぶいてくれ、のあとに一語だけ。呼びかけにも、題を置いただけにも見えて。
はかせ
相手に「くれ」と頼む行のすぐあとに、名前だけの「かげろう」が来るんだよね。だからここは、頼まれている相手がかげろうだ、と読める。
しおり
でも「かげろうよ」みたいな「よ」は付いてないですよね。サビの最後に題名を置いて締めただけ、とも取れませんか。
はかせ
うん、呼びかけの印は無い。それでも、頼む行のすぐあとに名前だけが一行で来る並びは、頼む相手を名指ししているほうに寄って見えるんだ。ただ、これは1番のサビについての読みとして持っておこう。
しおり
1番のサビについてなら、頼まれる相手と読める、ってことなんですね。
2番で変わるのは、頼みの手前
しおり
2番に入っても、サビの前の「揺れる」は1番のままですか。
揺れる心が
呼び声ならば
はかせ
ここも「揺れる」が三つ並ぶよ。1番では、最後が「揺れる心を」「許すのならば」だったね。
しおり
「心を」が「心が」になって、「許すのならば」が「呼び声ならば」に替わってます。
はかせ
うん、そこが替わっているね。そのあとの2番のサビは、1番のサビと言葉がそっくり同じなんだ。
しおり
言葉が同じなら、最後の「かげろう」の聞こえ方も、1番と変わらないですか。
はかせ
そこは二つに分かれるんだ。2番では手前が「呼び声ならば」で終わるから、「かげろう」がそのあとに来る名前として聞こえる、という読みもできる。1番と変わらない、と取ってもいいところだよ。
2番のあと、「揺れる」が消える
この熱がまた
向かい風を抜けて
笑う魂ならば
はかせ
2番のサビが終わったあと、それまでに無かった行が続いて、その終わりがここ。「ただ」で向きを替えて、三つめの「ならば」が来るんだ。
しおり
「揺れる」も見当たらないです。サビの前には三つずつあったのに、ほかにも出てくるところはあるんですか。
はかせ
ここまでで「揺れる」は6回、全部サビの前の二か所なんだ。サビ全体にも、ここにも無い。辞書の「揺らめき」と重ねるなら、揺れは、題の「かげろう」が名前で出るより手前にだけ数え上げられているんだ。
しおり
それと「向かい風を抜けて」が気になってます。風を抜けた、ってことですか。
はかせ
「抜け」は1番の前半では「突き抜けない。」と打ち消されていたね。ここでは打ち消しなしで出るけど、もしこの熱が向かい風を抜けて笑う魂なら、という「ならば」の中なんだ。抜けた、という話にはなっていないんだよ。
しおり
「ない」は外れたのに、「もし」の中にとどまってる。そこが、ちょっともどかしいです。
最後のサビでも頼みの二行は同じ
魅せてった熱よ
今こそ嘯いてくれ
かげろう
はかせ
替わる行もあるけど、「今こそ嘯いてくれ」と「かげろう」はそのままなんだ。ただ「熱よ」が頼みのすぐ前で呼びかけているから、最後の頼みは熱に向けたとも読める。熱かかげろうかは、歌詞からは決められないよ。
しおり
宛先が決められないなら、1番のサビで頼まれる相手と読んだところは、崩れてしまいませんか。
はかせ
1番のサビの読みは、1番のサビについてのままだよ。曲全体で「追」の字が出るのは、歌い出しの二行と2番の前半だけなんだ。「魅せ」が付くのも「俺に魅せる幻」と砂煙が「魅せてった熱」だけで、「かげろう」にはどちらも付かない。
しおり
でも、宛先が決められないのに、かげろうだけ別の場所にいる、とまで言えるんですか。
はかせ
最後の頼みが誰に向くかは決められない。それでも「かげろう」は三つのサビで頼みのすぐあとに一語で来て、歌い出しで追いかけた逃げ水とは別の場所にいる。似た言葉どうしが、追われる語と、頼みのあとに来る語に分かれている、と読むよ。
しおり
追いつけないところから始まった歌が、最後まで「今こそ嘯いてくれ」を手放さないのが、ノートに残しておきたい感じです。
はかせ
歌い出しは「追いつけない。」だったね。頼みの二行は、三つのサビで同じ言葉のままだよ。
はかせのまとめ
問い
歌い出しで追う逃げ水と、サビで頼む相手はどう違う?
答え
歌い出しの逃げ水は「追いつけない。」相手で、「かげろう」は三つのサビで「今こそ嘯いてくれ」のすぐあとに来る。最後の頼みの宛先は決められないが、追われる語と頼みのあとの語に分かれている、と読める。
次に聴くときは
最後のサビの「熱よ」から「今こそ嘯いてくれ」「かげろう」へ、続けて聴いてみて。
楽曲情報
| 曲名 | かげろう |
|---|---|
| アーティスト | Vaundy |
| 作詞・作曲 | Vaundy |
| 発売 | 2026年7月15日 |
